GyroEyeでの2D図面の扱い方&HoloLens 2の利用開始方法ご紹介ウェビナーでの質疑応答コーナーの内容と、アンケートでいただいたご質問への回答です。
位置精度
HoloLens版GyroEyeビューワ
10mほど歩くと2cm~3cmほどの誤差が生じる可能性があります。
※現場の状況によって変わります。
iOS版GyroEyeビューワ
10mほど歩くと10cmを超える誤差が生じる可能性があります。
また、LiDAR付きのiPad/iPhoneでない場合、iPad/iPhoneのスリープや他のアプリケーションでのカメラの使用により、ロストという現象が発生します。
iOS版GyroEyeビューワでは、例えば遠景からのモデルの確認や、完成イメージの共有など、プレゼンテーションでのご利用をお勧めします。
原因と対処法は、いくつか考えられます。
照明が暗い
暗い環境では、HoloLens 2がカメラから充分な情報を得ることができず、ロストが起こると考えられます。
Hololens 2は、人間が楽に見ることができるくらいの、均一な明るさの環境で使用します。
素早い動作を行っている
素早い動作を行った場合、ロストが起こることがあります。
極端に素早い動作は避けることで、ロストが起きにくくなるかと思います。
HoloLens 2のカメラを塞いでいる
動作を行う際、HoloLens 2がずれないように手を添えることがあります。この時にHoloLens 2の前面にあるカメラを手で塞いでしまうと、ロストが起こることがあります。
こめかみのあたりなど、視界に手が入らない位置なら、カメラがふさがれずロストが起こりにくいかと思います。
HoloLens 2が、壁などの障害物に近付きすぎないように気を付けることも必要です。
階段で移動している
単色の壁や階段で環境に特徴点が少ない場合や、階を跨いでも似たようなレイアウトである場合に、Hololens 2が環境を誤認識する可能性が高く、精度に影響が出ていると考えられます。
似たようなレイアウトである場合は、フロアごとにプロジェクトを用意し配置し直すことが有効です。
エレベーターなどで移動している
移動体の中での環境認識は基本的にHoloLens 2が誤認識しやすいため、階ごとにプロジェクトを用意し、配置し直す必要があります。
ハードウェア
連続使用での端末の熱や、メモリの負荷など、いくつか原因が考えられます。
プロジェクトの表示負荷が高い
プロジェクトの中に、モデルが小さく凝縮されていて描画負荷が高いデータや、データサイズが大きなデータが含まれる場合は、表示が不要な部分のデータを削除したり、モデルの密度を減らしたりしたデータを使用することで、改善することがあります。
写真や動画の撮影を行っている
カメラの使用を停止することで、改善することがあります。
HoloLens 2が熱を持っている
長時間連続使用している場合や、気温の高い場所で使用している場合はHoloLens 2が熱を持っていることがあります。
以下の対処を行うことで改善する可能性があります。
- 作業の休憩時間に、HoloLensもスリープ状態にして休ませる
- 充電器を外して使用する
- 直射日光を避け、10℃から35℃の環境で使用する
☆屋内でも窓や天窓からの直射日光は避ける - 冷却を行う
位置合わせ
MRを使用するHoloLens版ビューワと同様の考え方ですが、精度低下への対策としては、以下の方法などが考えられます。
iOS端末のカメラに、できるだけ多くの特徴的なパターンを映しながら確認する
壁や床だけを映し続けると、特徴量が少ないため、精度が悪くなる可能性があります。
対象物に近付き過ぎない
センサーが誤認識する可能性や、対象物が近すぎると特徴量が減るため精度悪化に繋がる可能性があります。
2点配置を行う
配置の際に基準点を2点使用する、2点配置を行うことも有効です。
2点の基準点間の距離は、5m~10m程度を推奨しております。
また、ずれを少なくするためにも、2点の基準点間はHoloLens 2/XR10、iOS端末ともに、位置ずれが起こらない環境である必要があります。
使い方
あらかじめWebデータコンバータで基準点を複数個設定したプロジェクトを、ビューワで2点認識により配置する場合、以下の手順で行います。
- Webデータコンバータで基準点を追加します。
- 現場で基準点位置にARマーカーを設置します。
このとき設置するARマーカーは、ひとつのARマーカーを1点認識するごとに設置し直しても、複数のARマーカーを全ての基準点位置にあらかじめ設置しておいても、どちらでも構いません。 - ビューワで、はじめに作業するエリアの基準点を選択し、手順2で設置したARマーカーを使用してプロジェクト配置を行います。
- 作業が終わったら、次に作業するエリアの基準点位置に移動します。
ひとつのARマーカーを1点認識するごとに設置し直している場合は、ARマーカーも移動させます。 - ビューワで次に作業するエリアの基準点を選択し、移動させたARマーカーを使用してプロジェクト配置を行います。
その他
実装予定はありませんが、将来的に対応するか検討させていただきます。